ニガヨモギをウオッカで抽出完了!密造アブサンの骨格になりえるのか?

 

 

2016年ニガヨモギ栽培の成果がこちら。

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ニガヨモギの種蒔きから収穫まで約7ヶ月。

全滅の危機は何度かあったが、ニガヨモギ栽培の初年度にしては順調な経過だったと思う。肝心な花穂は山形の環境に阻まれ得られなかったが…。

春蒔きのニガヨモギの花は咲かなかった - 密造酒と食 工房SHIIVA

↑前回の記事がまだの方はこちら

 

↓続きをどうぞ

折角なので芯と葉からツジョンを抽出することに。

アブサンという酒が幻覚をみせるといわれる最大の要因、ツジョンはニガヨモギの草体すべてに含まれている。

 

怪しい?

そして危ない?

 

ノンノン。

驚くなかれニガヨモギ食品添加物として日本では公に認められている。だから苦味料として読者様のお口にいつの間にか入っているかもしれない。

 

問題になるのは量だ。

例えば塩は人体に必要なものだが過剰に摂取すれば毒になる。ニガヨモギのツジョンもアルコールに超濃縮して抽出すれば毒性を発揮する。その毒が幻覚を見せるというわけだ。

現在市販されているアブサン世界保健機関の規制により、その毒性が強すぎないようツジョン濃度が低く低く抑えられている。

そんなものは欲しくない。

 

タイラが所望するのは激濃ツジョンアブサンだ。

そんなものは表の世界に無い。だから…造ろうと思った。欧州の山奥でひっそりと密造されている本物のアブサンと同じように!

 

暗黒の液面 

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ツジョンを抽出するのは簡単でニガヨモギをアルコールに浸しておけばいい。

 

大事なことは

ツジョンはケトン類なので有機溶剤に溶け、水に溶けない。

えぐみの原因、ニガヨモギの植物性アルカロイドは水に溶け、なおかつアルカリ性溶液だとより溶け出しやすい。(密造スタイルではない再蒸留するタイプのアブサンでは、エイジングと蒸留工程で取り除かれる)

になる。

 

単に、度数の低いお酒に漬け込んだだけではニガヨモギ汁しか出てこない。

よってタイラはニッカウヰスキーから販売されている50度のウオッカを試した。

 

抽出する部位に関しては木質化した芯(茎)を使うとヤバイ。

植物原料とは思えないほどの悪臭と、土になりかけの落ち葉をかみ締めたような地獄を味わうことになる。

これはいらぬ。

 

よって葉だけをウオッカに漬ける。

数時間で緑色になり始め、2日でカキ氷のメロンシロップ状になる。ニガヨモギに含まれるクロロフィルの色だ。

クロロフィルは時間経過とともに分子の結合が解かれ茶色に変色してゆく。6ヶ月も経てば真っ黒だ。

味やにおいも最初の1ヶ月ではきつくてどう仕様もないが半年後には…なかなかの薬草酒になっていた。

 

味はどうでもよい。

 

大事なのは効きだ。

↓旧薬事法がからんでくるのでこれ以降はタイラの主観になります。

耳にくる。

「後頭部の血液の回りがよいなぁ」と感じていたら鼓膜が圧迫されるほどの耳鳴り。

キー―ーーーンゴゥゴゥゴゥドドドドド……

高いところに登った時のような感覚ではあるが音ははっきりと聞こえる。音量は上げていないのに音圧だけが増幅する。

 

これか!

 

ぐいぐい中にはいってくる。 

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空気の振動が立体的になり、音に直触りしているようだ。

すかさずハウスミュージックを聴いてみる。

 

あう。

 

タイラの造るアブサン/【音楽と相性が最も良い酒】

方向性は決まった。